私の出身地である三重県四日市市で毎年開催されている同市最大のイベントの1つ、2020年・2021年度の四日市JAZZフェスティバル告知用ポスターの制作、販促グッズなどのグラフィックデザインを担当しました。

今回で9回目を迎える毎年恒例のイベントを、今後も長きに渡って存続させるため、告知用ポスターのターゲット層は主に10代から20代の若年層に設定しました。彼らにジャズ音楽について知ってもらい、町を活性化させる地域コミュニティイベントに積極的に参加してもらうことを目的とし、明るくポップな雰囲気に満ちたポスターを作成しました。

ポスター用に制作したイラストレーションは、イベントのテーマ「みんなでswing」にならい、音楽で活気づく四日市の街の様子を描いています。モチーフの中には、煙をはきながら音楽に合わせて歌う四日市港の石油コンビナート、軽快な音楽に乗せて踊る若い家族、そして貫禄の演奏を披露するミュージシャンなどが含まれます。

元々このプロジェクトは、2020年10月のイベント開催に向けて、同年の初頭からスタートしました。しかし、その直後に発生した世界的なパンデミックを受け、先々の安全確保に見通しが立つまで、プロジェクトの進行は一旦保留となりました。しかし最終的に、現地でのイベント開催は中止を余儀なくされ、その代わりにオンライン上での開催に移行されました。すでに制作途中だったポスターは、翌年の現地開催への願いも込めて、あえて未完成のままオンラインイベント用ポスターとして発表されました。

そして翌年の2021年初頭、先の状況予測が未だに難しい中、昨年の無念を晴らしたいという思いも含めて、主催者の方々と共に開催実現に向けてプロジェクトを再開させました。しかし、制作最終段階に差し掛かったところで再び感染が拡大し、来場者の安全性を最優先した結果、やむを得ず同年も開催中止となりました。

音楽が好きという一心のもとに集い、準備を進めてこられた全ての主催者の方々、そしてボランティアスタッフの方々にとっては、断腸の思いの中止決定であったかと思います。この場を借りて、関係者の全ての皆様に敬意を表したいと思います。私個人としては、故郷の街の一大イベントにデザイナーとして選出して頂けたこと、大変光栄に思っています。またこの経験は、フリーランスという生き方を選択した私にとって、生涯の誇りとなると確信しています。

素材提供： GraphicsFuel

四日市JAZZフェスティバル